レゴ アイデアデザイナーのマリナ・スタムポリは、建築工学を学んだという経歴の持ち主。この新作を手掛けるのにうってつけの人材でした。
「このセットを手掛けられるのは嬉しかったですね。実際には外輪式蒸気船くらいしか乗ったことはないですが、船が大好きなんです。船の建築様式や優美なディテールはもちろん、工学的側面も好きですね」と目を輝かせるマリナ。
デザインプロセスの第一段階は、魅力あふれる蒸気船についての調査でした。同時に、オリジナルデザインを応募してくれたアメリカのファンデザイナー、アーロン・ホール氏への聞き取りも行ったそうです。
「アーロン氏の美しいディスプレイモデルには、細やかなディテールが見事に盛りこまれていて、とても良くできていました。製品開発の段階では定期的にミーティングを行いましたが、建築家でもあるアーロン氏は、積極的にコメントやスケッチを出してアイデアを提案してくれたので、楽しく作業できました」
さらにデザインチームでは、アーロン氏にちなんだアイテムをいくつかモデルに仕込みました。
「ひとつめは、娘さんのお名前にちなんで船名を"Amelia"としたことです。さらに、ステージで演奏しているバンドは、息子さんのお名前をいただいて"Breckin"としました。しかも、ご夫妻の結婚記念日のお祝いに演奏している設定です。ドラムセットに止まっている赤い小鳥(カーディナル)は、アーロン氏が住む州の鳥です。偶然ですが、奥様にとっても特別な意味をもつ鳥だと知りました」
このモデルには、ほかのレゴ アイデアセットにちなんだアイテムもひそんでいます。ぜひご自身の手で蒸気船を組み立てて、すべて発見してみてください。