私たちレゴグループは、レゴ®ブロックでスペースミッションごっこをする子どもたちが、いつの日か本物の科学者になって壮大な宇宙の謎を解き明かす可能性を信じています。じつは、欧州宇宙機関ではLEGO System in Play(レゴの遊びのシステム)をヒントに、3Dプリンターを使って45億年前の隕石から構造用ブロックをつくり出しました。これらのブロックを使って、月面にロケット発射台と宇宙飛行士用シェルターを建設する予定です。この特別なスペースブロックが、2024年6月24日から9月20日まで、一部のレゴストアとビルンのレゴハウスで公開されます。お近くの方はぜひお立ち寄りください。このブロックでどんなものを組み立てられるか、私たちも興味津々です。
宇宙塵でできたブロック?
そう、月面を覆う表土を素材にしたブロックです。
月面構造物の建設計画に着手した欧州宇宙機関は、地球から月へ資材を送りこむことがいかに難しいかを踏まえ、月面で調達できる素材から建材をつくり出すことにしました。しかし、アポロ計画で収集されたサンプル以外に月面の表土は地球上に存在しません。
そこで研究チームがひねり出した苦肉の策は、2000年に北西アフリカで発見された宇宙塵を使って建材のプロトタイプをつくり出し、テストするというきわめて独創的な方法でした。この宇宙塵は45億年前の隕石とされ、 宇宙にしか存在しない金属粒子やコンドリュールを豊富に含みました。それにポリラクチドと月の表土の模擬材料を加えて3Dプリント素材をつくり出し、レゴブロックのような機能と構造を持つ建材の出力に成功しました。
でもレゴブロックのように「カチッ」とつなぎ合わせられるの?
もちろん、できます。レゴブロックをヒントにした建材を手に入れた欧州宇宙機関の研究者たちは、地球に居ながらにしてスペースブロックを使った構造建築を試行錯誤できるのです。
同機関サイエンスオフィサーのエイダン・カウリー氏によれば、「未だかつて月面に構造物が建設されたことはありません。地球から建材を運ぶことができないため、工法だけでなく、建材についても研究を重ねる必要があります」
「このプロジェクトを担当するチームのメンバーは、私も含め、クリエイティブな組み立て遊びが大好きです。そこで宇宙塵を素材にレゴブロックのような建材をつくり、様々な工法を試せないかどうか考えてみました。出来上がったブロックはレゴブロックよりもごつごつしていますが、カチッとはめ込むことができ、多くの設計案を何度も試してはやり直せるようになりました」
遊びと試行錯誤 - これぞまさしく創造性と科学革新の融合と言えます。
実際に見てみよう
2024年6月24日から9月20日まで、ビルンのレゴハウスをはじめ、世界各地のレゴストアにおいて、月面構造物の建設計画で重要な役割を果たすスペースブロックが公開されます。次世代の宇宙マニアやビルダーたちには、またとないチャンス!ぜひ、最先端技術でつくられたスペースブロックをご自分の目で確かめてください。
ESAスペースブロックを展示する各国のレゴストア:
アメリカ合衆国
レゴストア モール・オブ・アメリカ店(ミネソタ州ブルーミントン)
レゴストア ディズニー・スプリングス店(フロリダ州)
レゴストア ウォーター・タワー・プレイス店(シカゴ)
レゴストア ディズニーランド・リゾート店(カリフォルニア州)
レゴストア 5thアベニュー店(ニューヨーク)
カナダ
レゴストア ウェスト・エドモントン店
イギリス
レゴストア レスター・スクエア店(ロンドン)
ドイツ
レゴストア ミュンヘン店
レゴストア ケルン店
デンマーク
レゴストア コペンハーゲン店
レゴハウス(ビルン)
スペイン
レゴストア バルセロナ店
フランス
レゴストア パリ店
オランダ
レゴストア アムステルダム店
オーストラリア
レゴストア シドニー店
α世代*の87%は宇宙に関心を持っている(*2010年代以降に生まれた世代)
「近年の調査では、“α世代”の87%が宇宙に多大な関心を抱き、惑星・天文・銀河系に関する新発見に心を躍らせていることが分かりました。欧州宇宙機関が、宇宙旅行計画の取り組みにLEGO System in Playを取り入れているという事実は、レゴブロックの無限の可能性を示していると言えます。一人でも多くの子どもたちが、月面シェルターの組み立てに挑むことを期待しています」と語るのは、レゴグループのクリエイティブリーダーを務めるダニエル・ミーハンです。創造性・遊び・科学の融合によって宇宙塵からつくり出されたスペースブロックの向こうに、遊び心いっぱいの未来が見えます。