子どものレジリエンスを育む上で、「適齢期」は存在しません。レジリエンスの育成は、子ども時代のすべての時期を通じて価値ある取り組みです。
乳幼児にとって、レジリエンスを育むアクティビティは、運動や認識のスキルを発達させる中で、物事を理解することのストレスに対処する手助けとなります。
3歳~4歳の幼児の場合、このようなアクティビティは、幼稚園などへの入園に向けて、感情を制御したり、他者と効果的に意思疎通を図る方法の習得に役立ちます。
9歳~12歳の子どもにとってこのようなアクティビティは、自立を促して自信を身につけ、また自分の個性を発見したり、将来の理想像を描いたりする手助けとなります。 ここからはさらに、全年齢の子どものレジリエンス向上に最適なアクティビティを紹介します。
振る舞いや感情を上手にコントロールする「実行機能」を発達させる
「実行機能」(思考や行動の制御に必要な一連の認知プロセス)を身につけており、かつ前頭前皮質が発達している子どもは行動や感情を上手くコントロールすることができ、また対処のための戦略も習得できることがわかっています。以下は、このような能力を発達させる子ども向けのアクティビティの例です。
ルーティーンを定める
社会における健全な振る舞いをモデル化する
子どもの周囲に支援的で信頼できる関係性を構築、維持する
社会的なつながりを築く機会を提供する
家庭や学校で、創造的に遊ぶ
衝動のコントロール/計画の策定/ワーキングメモリー/柔軟な思考を学習できるボードゲームや、
コーディングアクティビティリスクを取ることを推奨し、自力で考え、行動する機会を与える
子どもに健全なレベルのリスクを取る経験をさせることで、コンフォートゾーンを抜け出し、自分を駆り立てて新しい発見に向かうよう励ますことができます。こうした勇気を発揮する機会をたびたび与えられた子どもは、より多くの自信とレジリエンスを身につけます。逆に、リスクを回避している子どもは、自分は課題に対処する能力がないと考える傾向にあります。
幅広いアクティビティを導入して、興味や関心への発見をサポートする
レジリエンスを育む多種多様なアクティビティを導入することで、子どもたちは可能性に満ちた世界を切り拓くことができます。遊びを通じて自分にとってどんなことが楽しいのかを深く理解し、また自分の個性となる意見を形作ってゆきます。
や,
レゴ® テクニック,
アーキテクチャー,
アート、スーパーヒーローのゲームなど、新しい興味やテーマを探索することで、子どものレジリエンスの発達を支援することができます。 レジリエンスを育むこのようなアクティビティは子どもが将来重要な決断を下す際に、そして何より、人生を楽しむ上で役立ちます。
変化の必然性について教える
年齢を問わず、子どもは変化を怖いものと受け取る可能性があります。しかし、変化の必然性を自覚した子どもは、変化を予期することや、喜んで受け入れることすら習得することができます。子どもに対し、変化こそが唯一不変の事象であると教えることが、変化を「刺激的な機会」と捉えるよう励ますことになる場合もあります。
セルフケアについて教える
自分を大切にすることの重要性を教えることは、子どもが身につけるレジリエンスの水準を高める効果があります。まず、不快感やストレスの兆候を認識する方法にどのようなものがあるか話し合うことからはじめて、次は、より快適に過ごすために役立つ小さな変化や習慣を特定しましょう。たとえば、健康的な食事や休息、何かを楽しむ、十分な睡眠をとる、といったこともあてはまります。
子どもに自己発見の取り組みを促す
自己発見の取り組みを後押しすると、子どもの自己認識が高まります。自己認識は、子どものレジリエンスの育成に役立つ道具となります。困難な状況に陥ることで、自分自身への理解を深める子どもは少なくありません。子どもにとって困難な状況は、自分が何者であるかや、どのような能力を持っているかに気付かせてくれる機会でもあります。好奇心と自立の発達を支えることが、子どもに卓越したレジリエンスを育むための土壌となります。
子どもがレジリエンスを備えていることの「証」とは?