ル・マン24時間レースのハイパーカーをレゴ®パーツで再現した実物大モデル

レゴ®パーツで組み立てる実物大のル・マン ハイパーカー

1923年、自動車とドライバーの限界に挑戦する新しいレース大会が誕生しました。それから1世紀の時を超え、ル・マン24時間レースは、世界で最も歴史ある耐久レースとして多くの伝説を残しています。

スタミナ、エンジニアリング、パフォーマンスが試される同レースの100周年大会を記念し、この度、出場車の中から選りすぐりの1台をモデルにしたレゴ®セットが発売されました。

新発売のレゴ テクニック プジョー 9X8 24H ル・マン・ハイブリッド・ハイパーカーは、後輪連結のV型6気筒エンジンや、前輪連結の電動モーターを再現したバッテリーのいらない1/10スケールモデルです。

独特な形状のドア、ハイブリッドシステムのパワートレインケーブル、強力なサスペンション、流麗なフォルムはまさにリアルそのもの。

しかし、それだけではありません。

24時間耐久組み立てチャレンジ

本年度のル・マン耐久レースでは、プジョー社とレゴ グループが、レゴ テクニック プジョー 9X8 24H ル・マン・ハイブリッド・ハイパーカーの11倍スケールモデルを24時間以内に組み立てるチャレンジに挑みました。

この挑戦は、ル・マン24時間レースの舞台であるサルト・サーキットに隣接する観戦エリアで行われました。

レース開始までに実際のプジョー ハイパーカーと同寸のレゴ モデルを組み立てたのです。

スケールモデルのデジタル版完成図

24時間という限られた時間内でこれだけのモデルを組み立てることは、まさに関係者全員の限界に挑むチャレンジでした。

その結果やいかに?当日の様子はこちらからご覧ください。

ル・マン24時間レースで事前に入念な準備が必要なように、今回のプロジェクトも計画から開発、準備に10カ月を費やしました。

ハイパーパーツ新登場!

発足当初からこのプロジェクトに関わったのが、レゴ デザインマネージャー・スペシャリストのルーバー・ゼリンカです。そこで今回のプロジェクトで採用された画期的な新型パーツについて、詳しい話を聞いてきました。

『ハイパーパーツ』と呼ばれるこれらの新部品は、レース当日までに組み立てを完了できるように従来のレゴ テクニックパーツを大型化したものです。

「レゴ テクニックのパーツを組み合わせてつくり出したハイパーパーツは、標準サイズのパーツをそっくりそのまま大きくしたように見えます」とルーバーは言います。

ハイパーパーツの一つひとつが、高度なレゴ テクニックセットを組み立てるほどの難解さです。それらを事前にいくつも用意し、レース当日に実車サイズのモデルを組み立てました。

「これ(下図参照)はハイパーパーツの試作品第1弾です。こうした試作品を使って、実際にモジュール化が可能かどうかと、大型化した際の実用性を確認しました」
レゴ テクニック標準パーツの11倍
ハイパーパーツの制作工程

ハイパーパーツによって、理論上は24時間以内にモデルを組み立てられるはずでしたが、実際にはそう易々と行きませんでした。デザイナーたちの前に、複雑なパーツの開発と組み立てという大きな壁が立ちはだかったのです。

フロントコーナーのプロトタイプ

「今回のプロジェクトでは、1,800個のパーツが含まれるレゴ テクニックセットを実車サイズに拡大しました。ハイパーパーツひとつをつくるのにレゴ テクニックの標準パーツが600個以上必要です。一番大きなものには、約5,000個を使用しました。それだけ手のかかるハイパーパーツを711個もつくり上げることがいかに大変だったかは、ご想像に難くないと思います」

ここで話題になったレゴセットは、ただ今発売中

つまり、レゴ史上最大セットがちっぽけに見えるほど超特大モデルだということです。

レース当日までにハイパーパーツ711個の開発、テスト、組み立てを終わらせなければなりませんでした。それを実現できたのは、チェコ共和国クラドノにあるレゴ モデル組み立てセンターのおかげです。

あくまでも説明書通り

以前にも実物大のモデルカーを組み立てたことがあるのを覚えていらっしゃいますか?最高の組み立て技術と関係者一同の夢を体現したのが、ブガッティ・シロンとランボルギーニ シアン FKP 37でした。

しかし、これらのモデルの組み立てには24時間どころか、数カ月を要しました。

今回のプロジェクトには、この他にも初の試みがたくさんありました。制限時間24時間のライブ組み立てイベントであること。実物サイズモデルに特別開発の『ハイパーパーツ』を初めて使用すること。

この記録破りのチャレンジをどうやって実現したのでしょう?

「新しいレゴセットをただ拡大するだけでなく、全く同じ手順で組み立てることにしました」

組み立て工程は1/10スケールモデルとまったく同じでも、実物大モデルには多少の調節が必要でした。

細部まで精巧なデザインや機械部品を備えた実物大モデルも、パーツと組み立て説明書、組み立てる人が必要な点では本来のレゴセットと変わらないなんて、ちょっと楽しい気分になりますね。

人生に不可能はない

レース前に「ル・マン24時間レースという大舞台で、24時間以内に実物大モデルカーの組み立てを完成させられると思いますか?」という質問でルーバーの本音を探ってみたところ…

「すべてのパーツがうまく組み合わさってくれないと、かなり難しいでしょうね。不眠不休の24時間になるでしょうが、不可能ではないと思っています」と笑顔で答えてくれました。

耐久レースも24時間チャレンジも無事に終わった今、組み立てチームの健闘を心から称えたいと思います。

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プジョー社とのライセンス契約

ル・マン24時間レースオフィシャルライセンス商品

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