お子さまがゲームで遊ぶメリット

お子さまがゲームで遊ぶメリット

ゲーム機を置いて、本を手に取ってくれたら…。それは、ゲーム好きのお子さまを持つ方の共通の思いかもしれません。

スクリーンタイムの長さに気をもみ子ども向けでないコンテンツについて懸念し、ゲームのし過ぎで学校の成績が下がるのではと心配するなど、悩みのタネは尽きません。

世界で人気を博すゲームですが、一方で懸念を示す声も聞こえるのも事実。

でも、ゲームには心配のタネを凌駕するメリットがあると聞いたら、どう思われますか?

確かに本から学ぶことも大切です。しかし、ゲームにも数多くの幅広いメリットがあることも見逃せません。これから、そのメリットをひも解いていきましょう。

ゲームのポジティブな面を見ていく前に、ビデオゲームにまつわる、よくある誤解から…。

「ゲームは頭を空っぽにして楽しむ遊び」

これもよく聞くことのひとつ。確かにゲームは楽しい遊びです。でも同時に、学習や成長のパワフルな味方にもなります。また、目を覆いたくなるようなシーンや暴力的なテーマのゲームもある一方で、LEGO Smart Dashのように、学びの多いゲームを見つけることもできます。

実際は、ゲームによる悪影響と言われているものの多くが、ルールを設けずに遊んだり、スクリーンタイムが長すぎたりした結果なのです。そうならないための方法を、ゲーム時間に健康的なリミットを決めるというトピックの記事で解説しています。

よく耳にする誤解を軽く解きほぐしたところで、ゲームが(正しくアプローチすることで)お子さまの未来を明るくしてくれるメリットについて見ていきましょう。

認知的な成長

ゲームをバーチャルな遊び場だと考えてみましょう。スーパーマリオの楽しい世界のように、あらゆるステージにナゾ解きやチャレンジが仕込まれていて、プレイヤーには情報を分析し、戦略を工夫し、障害を越えていくことが求められます。

マインクラフトでは、問題解決能力に加えて空間認知の力も試されます。その認知の発達を促す側面こそが、幅広い年齢層のプレイヤーを引きつけるポイントになっています。

複雑に入り組んだゲームのシナリオを理解することを通し、自社会で役立つ客観的思考力を育てるという一面もあります。さらに、ルール、キャラクター、ストーリーなど覚えることもいっぱいあるのがゲーム。それは、情報を記憶して保持する力を鍛えるのに役立っています。最後に忘れてはいけないのが集中力です。ビデオゲームの目標やタスクをクリアするという特徴が、集中力を高める力の成長に貢献しています。

教育面でのメリット

「毎日が学びの連続」というフレーズは、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか?

年齢に関わらず、新しいことを学ぶチャンスはどこにでも常にあるものです。そして、大人になったからといって“賢くなった”かといえば、必ずしもそうではないのも事実。

では、先ほどのフレーズをちょっとアレンジして「毎日が遊びの連続」にして考えてみましょう。

学習ゲームやゲームを使った学習プラットフォームには、理科や算数の理系分野から言語や地理の文系分野まで、さまざまなテーマを取り扱うものがあります。どれも意欲的に楽しく学べるようにすることを目的につくられており、スクリーンの世界を越えて、子どもたちの学習意欲を高めることができるのが学習ゲームです。

しかし、その効果は学習ゲームだけに限りません。どんなゲームでも、ゲーム内の文章を読み、対話を理解することで、言語や読み書き能力を高めることができます。ダイナミックにストーリーが展開する環境にどっぷり入り込むうちに、新しい言葉にふれることができれば、教室での学習よりも知識の吸収が早いのは当然のように思えます。

社会面・情動面でのメリット

よりうまくいきそうな戦略を組み立てる。ナゾを解くために人と協力する。公平に対立を解決する努力をする。チームワーク力が求められるマルチプレイヤーゲームで遊ぶことで、コラボレーション力やコミュニケーション力といった大切な社会的スキルを身につけられます。

さらに、そこには“つながり”の要素もあります。ゲームはひとりで黙々と遊ぶものではなく、同じゲームが好きな仲間とのつながりを築き、それが長期的な友情に発展することも。オンラインゲームの仲間であったり、ゲームコミュニティへの参加であったり、そのかたちもさまざまです。

そして、軽視できないのが、ゲームのキャラクターを育ててバーチャルの世界へ入り込む中で養われる自己表現力や人とは違う自分らしさの感覚です。

創造力と想像力

ファンタジーの世界の景色、引き込まれるようなストーリー、多様なキャラクター。ゲームには、お子さまを夢の世界に引き込むパワーがあります。そのパワーとお子さまの想像力を新しいアイデアや考え方を探求するきっかけにしてみるのはいかがでしょうか。

実はゲームは単なる受け身の体験とは程遠く、アバター、ゲームの舞台、コンテンツなどをカスタマイズしたり自作したりする機会にあふれています。ゲームのそういった一面は、アートの感性やものづくりの考え方を育てるだけでなく、自分ごととして考える責任感や達成感を体験する場にもなります。

ここまでのまとめとして、最後にスイッチオフについて話しましょう。大好きなゲームをオフラインのアクティビティにつなげることもまた、スクリーンタイムのバランスを取る方法のひとつです。

オンラインの時間で得たひらめきをお絵かきのアクティビティにつなげるのは、それほど難しいことではありません。大好きなゲームの一場面をお絵かきしたり、ゲームの舞台をもとにお話をつくって書いたり、レゴブロックで組み立てたりもできるでしょう。

ゲームデザイナーになるというお子さまの夢についていっしょに話し合えば、デジタルの世界と現実をつなげることも可能です。

ゲームのコンテンツを継続的に確認し、スクリーンタイムのルールを決め、ゲームの教育的効果を引き出すように導くといった形でお子さまのゲーム体験に積極的に関わっていくのは、保護者としての務めです。

そういった関わりを通して、お子さまが認知・教育・社会的スキルを身につけ、自分の中の創造性に気づいていく過程を支援し、現実世界で活躍できる健全な個人への成長につなげていきましょう。